決断できない優柔不断な社長に読んでもらいたい。

住宅会社の決断

人口・世帯数の減少、一次取得者層の収入減など住宅業界を取り巻く未来は明るくはない。
そんな住宅業界に見切りをつけて新たな事業を模索する会社がある。
また一方で、他社が後向きな時期だからこそ、積極的な多店舗展開をするという住宅会社もある。
どちらの会社も「のんびり現状維持」は出来ないと考え、大きな「決断」をしている。

伸びる経営者はいかにして決断するのか。

 

◆経営者の決断
経営者の大事な仕事が「決断」であることに疑問を呈する人はいないだろう。
進出でも撤退でも、決断が遅れることは企業の停滞をもたらす。優秀な経営者ほど決断が速い。

現在の会社の姿は、あなたが積み重ねた決断の結果である。
工法・断熱は何にするか、支社を出すか、モデルハウスを建てるか、FCに加盟するか、
融資を受けるか、この営業マンを雇うか…そんな大小様々な決断の積み重ねで会社は出来上がってきた。

とはいえ、企業経営の中では決断できずに悩むこともある。

特に大きな決断を下さなければならない時は大きな代償と引き換えのことも多いゆえに悩みも大きい。
重要な決断をする際に迷わないために、次の7つのポイントを参考にして欲しい。

 

(1)情報を仕入れる
情報不足は決断を誤らせる。情報があり過ぎて判断がつかなくなるようでは本末転倒だが、
常に質の良い情報を集めることを意識して、様々な企業の人と情報交換が必要。

もちろん、十分な情報がない中でも決断を迫られる場合もある。
その場合でも、何が最低限必要な情報なのかを判断し、決してコアな情報が足りないままで判断しないこと。
情報がない時の決断は、経営ではなく、ギャンブルである。

 

(2)巧遅は拙速に如かず
中小企業はスピードが命。経営者のダイナミックな決断こそが、大企業に対抗しうる武器である。

情報不足で判断が出来ない場合でも、少なくとも「情報が不足しているので判断しない」という決断は出来る。
その上で判断に必要な情報を、いつまでに集めるか決定すればよい。
何となく何も決めずに時が過ぎるのを待つのが一番悪い。

 

(3)財務体質を健全にする
大きな決断には資金が絡むことが多い。
常に財務体質を健全にしておかなければ、融資に手間取りチャンスを逃しかねない。無い袖は振れない。

また、経営者の決断は「貧すれば鈍する」ものだ。
頭の中が常に資金繰りでいっぱいでは判断が鈍り、決断が一発逆転のギャンブルになりがちである。

 

(4)自分で決める
大事なことは、社員に相談してはならない。
基本的に社員は変化を嫌うため、5人の社員に相談したら、5つの異なる反対意見が返ってきて余計に迷う。

情報を集める段階では社員と話しても良いが、煮詰まってきた段階では、
外部の経営者や信頼できる人に訊くべきだ。
そして、情報を集めたら最後の決断は自分の責任で。

 

(5)自社のことを考える
物事を一般化して考えないことが正しい判断につながる。
「住宅業界では聞いたことが無い」「工務店の成功例はない」などと、
業界の常識や他県の事例をベースに考えていては革新的な決断は出来ない。

誰もやっていないことだから成功する可能性があり、反対する人がいるほど、価値ある事業なのである。
誰もが賛成するような判断は決断ではない。

 

(6)100%はない
当たり前だが、100%確実な決断などない。
完璧はあり得ないのだから、どれだけ臨機応変に出来るかが明暗を分ける。

中小企業の良さは臨機応変さ。
社員には常日頃から「朝令暮改」は良いことだと話しておいた方が良い。
間違っていた朝の決断を暮れまでに改めるならば、良い方向に進んでいるということである。

 

(7)自分の決断を信じる
経営者は自分の下した決断を信じることが大事だ。経営者が信じていないものを社員が信じられるわけがない。
自分の下した決断を、自ら信じることで情熱が生まれ、その決断が本物になってくる。

まずは、これまでの自分の決断を信じよう。

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ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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