論理だけでは人は動かない。工務店経営に活かす物語。

住宅会社の歴史

論理だけでは人は動かない。
社員を動機付けるには、「論理」よりも「物語」の方が効果的である。
そして、その「物語」は未だ社内に眠っている――。

 

◆温故知新
「過去を振り返るな。成功体験を棄てよ。」とは、様々な経営セミナーで耳にしたことがあるだろう。
黙っていても住宅が売れた良い時代を未だに引きずっている経営者はさすがにいないと思うが、
過去に華々しい成功体験があるほど、その成功体験を棄てられず
時代の変化に取り残されることは往々にしてあるものだ。

だからこそ、社長は積極的に過去を棄て、未来を創造する姿勢でなければならない。
…とはいうものの、過去を振り返ることが悪い訳ではない。
数年、数十年と経営をしていると、経営の拠り所が欲しくなってくるものだ。
会社の利益を増やすことだけでなく、「自分たちが何者なのか」を思い出させてくれる機会が必要になる。
社長にとっても社員にとっても。

それが経営理念の再定義であったり、ミッション(企業の使命)の設定であったりするのだが、
単にお題目だけを並べてみても、身に沁みないものだ。
一時の盛り上がりで終わるか、毎日の朝礼で社員が嫌々、唱和する結果にしかならない。

社員が自然と過去に学び、未来に活かすようになるためには、壁に貼った社是ではなく、
自社の伝説(レジェンド)が必要なのである。

 

◆共通言語
チームが強くなる要素として、共通言語や共通体験を持つことが挙げられる。
誰しも仲間内だけで通じる言葉や内輪ネタを持つことで結束力が強まったと感じたことがあるだろう。

それは会社でも同じである。独自の文化や社風は、言語や体験を共有することで醸成されていく。
社内で語り継がれる伝説は、その最たるもの。
物語として語り継がれることで、後輩社員が追体験することが出来る。

対面でのコミュニケーションに時間を割く余裕があった時代では、退職した先輩の逸話や昔の苦労話などが
雑談の中で自然と伝わっていただろうが、飲みにケーションや喫煙室が減っている今、
非公式な伝説が語り継がれる機会は少ない。
ゆえに、公式な伝説として意識的に残し共有する必要が生じるのである。

無論何を伝えるかも非常に重要である。
飲み会の席が社長の自慢話や先輩の「俺たちが若いころは…」ばかりでは白けてしまうのと同様に、
社内の伝説も単なる成功自慢では記憶に残らない。困難に立ち向かい、苦労を重ねた話が共感を生む。

数十年の歴史がある企業は勿論のこと、創業から数年でも既に多くの紆余曲折が思い出せることだろう。
特に創業時や業績が伸びない頃の苦労話には事欠かないに違いない。

この自社の過去・歴史を上手に継承できれば、経営的に価値あるものになる。

 

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この記事の著者

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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