2025年には127万社が後継者不足。小規模M&Aを住宅経営の選択肢に。

経営分岐点

*近年、中小企業M&A市場が活気づいている。

中小企業向けのM&Aマッチングサービス業界では、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズに続き
ストライクが2016年に上場。中小企業向け仲介会社では3社目の上場となった。

東洋経済によると、M&Aキャピタルパートナーズの平均年収は、2,253万円(平均年齢30.5歳)と
全上場企業のランキングでトップ。ストライクは平均1,616万円、日本M&Aセンターは1,226万円と続き
活況を呈している業界であることが分かる。
(引用元:東洋経済「平均年収『全国トップ500社』最新ランキング」2017/01/26)

*2025年には127万社の後継者不足

中小企業のM&Aの中でも、売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは
一定規模を売却する「事業承継M&A」が話題になっている。
というのも、中小企業経営者の高齢化が進み、後継者不足が深刻化しているからだ。

事業承継127万社

 

中小企業経営者の年齢の山は、20年の間に47歳から66歳に移動。
2025年に平均引退年齢の70歳を超える経営者は245万人にも上るが
そのうち後継者が未定の企業は127万社に上り、大きな社会問題化し始めている。

廃業理由

 

会社が赤字で廃業するのは仕方ないが、経常黒字でも後継者難により
廃業せざるを得ないのは社会的な損失である。

企業の休廃業・解散件数と自営業主の廃業件数は合計で年間25万件超。
経常黒字で廃業する企業が44.1%程度あるといわれており、年11万件(25万件×44%)以上が
適切な事業承継があれば存続していたかもしれない。

◆小規模M&Aが進まない背景

127万社もの後継者不足が分かっていながら、M&Aが進まないのには手数料の問題がある。
中規模のM&A(年商3~20億円程度)、手数料1,000~3,000万円の案件は、
上場3社を含めたM&A仲介業者が積極的にビジネスを行っている一方、
年商数千万~3億円程度の案件は仲介の担い手が少ない。
地方銀行でも、年商3億円未満(手数料1,000万円未満)では相手にされない。

結果として、継続的に利益を出せる力のある企業であっても
小規模であるとM&A案件としては上がってこないのが現状である。

政府としても、その問題を解決しようと2011年から
「事業引継ぎ支援センター」を立ち上げ、小規模事業者のマッチングを手掛けている。

事業引継ぎ支援センター

事業引継ぎ支援センターは、全国にあり(主に中小機構や商工会議所内に設置)、基本的には無料で相談に乗る体制だ。

売りたい事業者も買いたい事業者も、支援センターに相談に行くことで全国のデータベースからM&Aの可能性を検討してもらえる。

 

 

◆戦略的にM&Aを活用

自社の営業領域を拡げるため、新しく進出するエリアの協力業者を確保するため、人手不足を解消するため、
垂直統合するためなど様々な場面で、M&Aを活用することで解決できることは多数ある。

中小企業庁では、2017年からの5年間を事業承継の集中実施期間として「事業承継5ヶ年計画」を策定している。今後も創業・事業承継補助金や事業承継税制の見直しなどが進む予定だ。

これまでM&Aに馴染みがなかった場合でも、
今後は戦略的にM&Aを活用することを経営の選択肢の中に組み込んではいかがだろうか。

ただし、よく調べもせず工務店を買収して
お施主さんと一緒にクレームも付いてくるようなことにならないように。

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この記事の著者

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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