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工務店におけるカスハラ対策

営業社員の自殺

2024年7月、千葉県柏労働基準監督署は、ポラスグループの住宅営業だった20代前半の男性が2020年に自殺したのは、カスタマーハラスメント(カスハラ)などが原因だったとして労災認定した。各種報道によると、注文住宅営業の男性は、新築中の男性顧客に追加費用が必要になったと説明したことがきっかけで、叱責を受けるようになり、休日の電話に出なかったことを怒られたり、下請け業者が汚した隣地の外壁を清掃させられたりしたという。
ポラスでは、再発防止に向けて、カスハラ相談窓口の設置、カスハラ対策のための管理監督者教育、外部カウンセリング機関との連携を上げている。

カスハラ

近年注目されているカスハラは、「顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為」と定義される。厚生労働省の調査によると、過去3年間でカスハラに直面した企業は19.5%、その件数は増加傾向にあるという。カスハラは、社員に大きな影響を与える。カスハラの矢面に立った社員は、仕事に対する意欲の減退、健康不良(頭痛、睡眠不良、制震疾患等)、現場対応への恐怖、休職・退職などに至るという調査もある。

初期対応の大切さ

かつて「クレーム産業」などと揶揄された住宅業界。特に注文住宅は、高額商品でありながら1棟1棟違うものを現場で建てるため、問題が大きくなりやすい。特に、営業担当者は1人で施主宅を訪問することもあり、周りの目がないところで、施主がヒートアップすることも少なくない。
社員がカスハラを受けた後の行動として、社内の上司に相談するのは約半数(下図)だという。本来は100%、上司に相談すべきだが、相談できない雰囲気があるのだろう。


被害が大きくなるのを防ぐためには、いかに早く担当者から上長へ連絡させるかだ。初動を間違うとクレームは大きくなる。経験の浅い営業担当は、対応方法が分からず、普通の施主をモンスターにしてしまう。モンスターになってから相談されても間に合わないことも多いため、早く相談できる体制、社内の雰囲気をつくることが大切だ。
2022年2月に厚労省が公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」が、厚労省のウェブサイトで公開されている。何かあった時のために、事前に目を通しておくことをお薦めする。

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ALEX

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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