工務店において、広告運用を始める際に重要となるのが広告予算の設定です。
適切な予算を決めることで、効率よく集客を行い、目標達成に近づくことができます。
本記事では、「目標を決める」「目標を因数分解する」「逆算する」「確率論で考える」「PDCAを回す」という5つの視点から、効果的な予算の決め方をご紹介します。
■目標を明確にする
まずは広告運用の目的や目標を具体的に設定しましょう。目標が曖昧だと、予算が無駄になる可能性があります。
例:
- 月間10組のモデルハウス見学予約を獲得したい
- 月間3件の無料相談会申し込みを目指す
- 施工事例ページへの訪問者数を月間1,000人に増やしたい
こうした具体的な目標設定が、次の計画を作る基礎となります。
■目標を因数分解して考える
設定した目標を細かく分解することで、達成するために必要な施策が見えてきます。
例:モデルハウス見学予約10件の場合
- 広告のクリック数:1,000クリック
- コンバージョン率:1%
「見学予約10件 = クリック数 × コンバージョン率」というように、目標を数字に落とし込むことで具体的なプランを立てやすくなります。
※コンバージョンとは:来場予約や資料請求といった具体的な反響のこと
※コンバージョン率とは:広告がクリックされた数に対してコンバージョンされた割合のこと
■必要な広告費を逆算する
目標を達成するために必要な広告費を逆算します。たとえば、1,000クリックを目標とした場合、1クリックあたりのコスト(CPC)がカギとなります。
・計算例:
- 目標クリック数:1,000
- 1クリックあたりのコスト(CPC):200円
必要な広告費 = 1,000クリック × 200円 = 20万円
予算が足りない場合、CPCを下げる工夫や他の施策で補うことを検討します。
※CPCとは:1回のクリックに発生したクリックの単価のこと
■確率論で考える
目標を明確にし、逆算するところまでは誰でもできるでしょう。ただ、広告は確率の積み重ねです。
すべてのクリックが見学予約に繋がるわけではないため、数値を基に効率を考えましょう。
以下の考え方を理解すると、WEB広告の予算の決め方はもちろん、広告投資対効果まで視野を広げることができます。
・広告運用の確率論を理解する
広告の成果は、以下の確率の積み重ねで構成されています。
- クリック率(CTR):広告を見た人の中で、どれだけの人がクリックするかを示す指標です。
住宅業界の平均は0.5~0.8%程度(当社運用実績)ですが、クリエイティブやターゲティング次第で改善が可能です。- 改善策:ペルソナに響くキャッチコピーや目を引く画像や動画を使用し、具体的なベネフィットを伝える。
- 改善策:ペルソナに響くキャッチコピーや目を引く画像や動画を使用し、具体的なベネフィットを伝える。
- コンバージョン率(CVR):ランディングページに到達した人が、実際に来場予約や資料請求を行う割合です。ページ内容やフォームの使いやすさが成果に直結します。
- 改善策:商品の説明だけに終始せず、ページの構成に役割を持たせることが重要です。(別の機会に解説します。)
・確率を積み上げる発想
たとえば、以下の数字の場合、
- CTRが1.5%
- CVRが2%
広告を1,000回表示したときの最終的な見学予約数は以下のように計算できます:
1,000(表示数)× 1.5%(CTR)× 2%(CVR) = 約0.3件
この結果から、目標の10件を達成するには、予算はどのくらいに設定するか、さらにはどの数値を改善すべきかが見えてきます。
■運用後はPDCAを回す
広告運用は実際に運用してみて初めて効果がわかります。そのため、運用後はデータを分析し、改善を繰り返すことが重要です。
・PDCAサイクルとは:
- Plan(計画):目標に基づいて予算を設定し、施策を計画する。
- Do(実行):計画した広告を運用する。
- Check(評価):クリック率やコンバージョン率を確認し、効果を測定する。
- Act(改善):データを基に広告クリエイティブやターゲティングを調整する。
■まとめ
工務店の広告予算を決める際には、「目標を明確にする」ことから始め、「目標を因数分解」「逆算」「確率論で考える」というプロセスを経て運用し、その後は「PDCAを回す」ことが大切です。これらのポイントを意識することで、広告予算を有効に活用し、集客の成果を最大化できます。
適切な予算設定と運用で、理想の家づくりを検討するお客様を効率よく集めましょう。
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