<あなたの会社の経常利益率は?>
他の住宅会社の経常利益率はどのくらいだろうか。
まずは、中小建設業の実態を「TKC経営指標」から見てみよう。(参考:TKC経営指標)
平成29年1月~平成29年3月の間に決算を終えた木造建築工事業の状況を見ると、経常利益率は3.5%
なお、この数値は黒字企業の平均であることに留意。
黒字企業の割合は42.2%なので、上記の時期に決算を終えた木造建築工事業の約6割は赤字である。
あなたの会社は中小企業の黒字平均を上回っているだろうか。
IT企業などと違い、建設業は売上高は大きくなりやすいが、高い利益率を確保するのは難しい。
一般的に、経常で2~4%あれば、合格点というところだ。
では、上場企業ではどうだろうか。
住宅を手掛ける主な上場企業の経常利益率を列挙する。(プレハブメーカーを除く)
※各社直近の連結決算、()内は経常利益額
・三栄建築設計 9.7%(7,065百万円)
・飯田GH 9.0%(110,878百万円)
・日本ハウス 7.9%(3,648百万円)
・ケイアイスター 7.8%(3,997百万円)
・ミサワホーム中国 3.9%(1,419百万円)
・三井ホーム 2.0%(5,054百万円)
・エスケーホーム 1.8%(54百万円)
・土屋HD 1.0%(248百万円)
・タマホーム 0.7%(1,016百万円)
・エス・バイ・エル ▲0.2%(▲74百万円)
三栄建築設計は、経常利益率で9.7%の高収益企業。
年間1700棟以上の分譲、注文、マンション等を供給する。
年間売上1兆円を超える飯田GHも、9.0%と高収益だ。
一方で、三井ホームやタマホーム等は中小企業並みの利益率である。
特にヤマダエスバイエルホームは厳しく、低利益率で推移し、前期は赤字に転落した。
<1人当たりはどれだけ稼げば良いのか>
会社の生産性を見るには、1人当たりの稼ぎを見る。
前述の上場企業の1人当たり売上高総利益を見てみると
※直近の連結決算、従業員数は臨時雇用者を0.5人工で計算
(売上高総利益÷期末従業員数)
・飯田GH @30,490千円
・三栄建築設計 @22,541千円
・ケイアイスター @15,156千円
・三井ホーム @13,786千円
・日本ハウス @12,076千円
・ミサワホーム中国 @12,039千円
・タマホーム @12,003千円
・土屋HD @8,105千円
・エスケーホーム @7,892千円
・エス・バイ・エル @7,537千円
<上場企業決算まとめ> ※プレハブメーカーを除く住宅会社
※様々な事業を手掛けている企業もあるため、自社と比較する際の参考に戸建住宅事業の売上割合を記載してある。
あなたの会社と比較していかがだろうか。
売上高では勝てなくても、1人当たりで比較すると
生産性では、上場企業にも勝てるところがあるだろう。
1人当たりの生産性で、上場企業を上回ることを
社内生産性目標に掲げるのも、モチベーションアップの手だ。
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