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住宅分野における技能者不足と、工務店ができること

〜「建設技能者の持続的確保懇談会」から見える方向性〜

 住宅業界ではいま、大工をはじめとする建設技能者の確保が大きな課題になっています。
 国土交通省が設置した「住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会」でも、深刻化する人材不足にどう対応していくかが議論されています。

この記事では、懇談会で出てきた議論を踏まえて、工務店がこれから意識すべき6つのポイント を整理してみました。
今後の採用計画、経営計画の参考に、ぜひご覧になってみてくださいね。

技能者不足がなぜ問題なのか

 いかなる業界においても、採用する側とされる側との需要と供給が合わないという問題は散見されます。しかし、その問題は、住宅業界において特に深刻です。なぜなら『大工の人数はピーク時の3分の1に減少』していて、『高齢化が進んでいる』にもかかわらず、『若手の入職が少ない』という状況があるからです。入ってくる数よりも、出ていく数のほうが多い状態が続けば、技術を継承する人材がいなくなってしまいます。従って、大工・技術者不足問題は、単なる工務店・住宅会社の内部における問題というレベルを超え、高性能住宅や地域の住まいを支える力が弱まってしまうという社会的な大問題でもあるのです。

 だからこそ、いま日本では「どう人材を呼び込み、育て、定着させるか」を業界全体のテーマとしてだけでなく、国を支える根幹の問題として議論しているのです。

工務店が意識すべき6つのポイント

 「住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会」で示されている方向性は、工務店の経営にとっても「待ったなし」の課題であるといえます。外注依存からの転換、若手や女性に選ばれる職場環境づくり、現場の効率化、そして地域での協業。これらを進めることが、これからの時代における『持続的に地域を守ることができる工務店』として生き残る・差別化できる力になります。自社の力を高める、効果的な採用を検討している工務店・住宅会社の経営者の皆様は、ぜひ以下の6つの視点で自社組織をチェックしてみてください。

1. 社員大工化を見据える

 外注依存だけでなく、自社雇用の大工を育てる流れが加速しています。採用を検討する際には、月給制・社会保険・休日制度を整えることで、若手や女性の採用がしやすくなる可能性が高いです。ぜひ先を見据えた制度化を実施し、『社員大工化』を検討してみましょう。

2. 若手の入職ルートをつくる

 高校・専門校・訓練校とのつながりを持ち、研修体制やOJT環境を見える化しておくということも一手です。売り手市場の採用希望者たちに対し、「この会社なら安心して働ける」と思える場づくりを積極的に行うことが、入職促進につながります。

3. 女性や多様な人材に門戸を開く

 仕上げや内装など、適性に合う工程で力を発揮できる仕組みを整えることも検討しましょう。見落とされがちな、現場のトイレや更衣室などといった、日常的に使われる環境の整備も重要です。

4. 省力化・効率化の仕組みを導入

 プレカットやユニット化、ICTによる現場管理を取り入れることで、省力化と生産性向上を同時に実現するという方向性も考えられます。「現場をラクにする工夫」は人材不足時代の競争力になります。

5. 地域で協業・連携する

 研修や採用活動を一社で抱え込むのは難しいものです。地域工務店同士で研修を共催したり、共通の採用広報を行うなど、ネットワークで解決することが現実的です。ビルダーズネットでのご紹介も可能です。

6. 長期視点で育成と定着を考える

 即戦力を求めるだけでなく、数年後の主力 になる若手を今から育てる意識が必要です。キャリアパスを示し、安心して働ける環境を整えれば、離職防止にもつながります。採用専用のホームページでキャリアパスや、未来のイメージを伝えていくことも大切です。

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SAFFY

SAFFY

工務店・住宅会社専門の経営・WEBコンサルタント/MBA(経営管理修士) 集客と成約につながる組織づくりやマーケティングの手法を様々な切り口からカンタンにわかりやすくご紹介します。

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