GA4に現れた新ワードの二大巨頭が前回の「キーイベント」と今回の「エンゲージメント」です。
■まずエンゲージ(engage)とは何なのか?
“engage”を英和辞書で引くと「従事する、雇う、婚約する・・・」といろいろな意味が出てきて混乱します。
語源を調べてみると古フランス語の”engagier”に行きつき、「誓約する」「保証のために約束する」という意味から派生してきた言葉のようです。
誓約の元に行動させる事で「従事する」「雇う」という意味に転じるのでしょう。「婚約する」は約束そのものですね。
■エンゲージメントの定義
本題のGA4におけるエンゲージメントについて、まずはエンゲージメントセッションの定義を確認します。・キーイベントが発生する
・2ページ(2スクリーン)以上の閲覧
キーイベントはWEBページの目的そのものですし、10秒以上閲覧が継続したり、2ページ以上閲覧するというのは、ユーザーの意図がある閲覧行動の現れと考える事ができそうです。
このように「意味のあるユーザー行動」がエンゲージメントにあたります。
■エンゲージメントに該当しない行動
試しに、上記のアクションを含まないページ閲覧について想像してみましょう。ページにアクセスしてから10秒経たないうちに、特に何もせずに(キーイベント無し)、そのページを離脱する(ブラウザを閉じる、戻るボタンを押すなど)という事です。
ユーザーがWEBページに関心を抱いているとは考えにくい行動ですね。
実はこれがGA4における直帰の定義そのものになります。
■ユーザーエンゲージメント
特定のユーザーの行動はミリ秒単位で計測されており、これをユーザーエンゲージメントと呼びます“ユーザーエンゲージメント”という言葉はあまり見かけませんが、”エンゲージメント時間”、”エンゲージメントタイム”はよく使われます。
ユーザーがしっかりページを見てくれている「意味のあるユーザー行動」の継続時間と捉えて良いと思います。
ユーザーエンゲージメントは特定のイベント毎に記録される(例えばスクロールなど)もので、エンゲージメントセッションとは関係がありません。
例えば、ページ閲覧開始から5秒後にスクロール、その3秒後に離脱したとすると、1ページで10秒未満の閲覧なのでエンゲージメントセッションではありませんが、ユーザーエンゲージは記録されます。
時間計測を表す指標と言えば「平均セッション継続時間」がありますが、計測方法が異なるためエンゲージ時間とは結果が大きく異なる場合があります。
時間計測はやや複雑なので、また別の機会に紹介します。
■まとめ
エンゲージという言葉が出てきたら「意味のあるユーザー行動」の事だと思って下さい。「エンゲージメントセッション」でも、「ユーザーエンゲージメント」でも、この考え方は共通です。
この「意味のある」ですが、これはユーザーにとってではなくて、WEBページを運用している側にとっての「意味のある」です。
ユーザーの意思は自由なので行動様式も自由です。その中で、WEBページの目的に沿った行動をエンゲージとして扱います。
WEBページの目的に沿った行動とは、WEBページの約束に従った行動であり、最初の段落で説明したように”engage”の意味が当てはまるというわけです。
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