認知バイアスとは?
よく、話を聞く人によってバイアスがかかる、などと表現されることがあります。このような、人間の思考や意思決定に対し、論理的・客観的ではない無意識の偏り・先入観が生じることを『認知バイアス』と言います。
認知バイアスは、その人の過去の経験や感情、社会的影響、直感などによって『無意識的に』引き起こされることが特徴です。誰にでも起こり得るものであるにもかかわらず、無意識下で人の判断や行動に影響を与えることから、心理学の分野のみならず、行動経済学・ビジネス(営業、マーケティングなど)でも研究が進められています。
認知バイアスの種類はなんと100種類以上!
さまざまな定義はあるものの、心理学的に特定されている認知バイアスの種類は100種類以上にものぼると言われており、ヒトがいかに無意識下で認知バイアスに縛られているかがわかります。だからこそ、どのような認知バイアスがあるかを知っていることは、顧客の行動を知る・予測するヒントにもなるのです。
代表的な認知バイアス
数ある認知バイアスから、代表的な認知バイアスをいくつか紹介しましょう。
◎判断や意思決定に関するバイアス
確証バイアス: 自分の信念を裏付ける情報だけを集め、反証となる情報を無視する傾向。
アンカリング効果: 最初に得た情報に強く引っ張られ、その後の判断が影響を受ける現象。
利用可能性ヒューリスティック: より思い出しやすい情報に基づいて判断を行う傾向。
◎社会的影響に関するバイアス
同調バイアス: 他者の意見や行動に合わせて自分の意見や行動を変える傾向。
権威バイアス: 権威ある人物や専門家の意見に盲目的に従う傾向。
集団思考(グループシンク): 集団内での合意を重視し、批判的な思考が抑制される現象。
◎記憶に関するバイアス
後知恵バイアス: 何かが起きた後で、「それが予想できた」と錯覚する傾向。
選択的記憶: 自分に都合の良い出来事だけを覚え、不都合な情報を忘れる傾向。
◎リスクと感情に関するバイアス
損失回避バイアス: 人は利益を得ることよりも損失を避けることに強く反応する傾向。
現状維持バイアス: 変化を避け、現状を維持することを好む傾向。
感情ヒューリスティック: 感情に基づいてリスクや利益を過大評価または過小評価する傾向。
◎認知的節約に関するバイアス
代表性ヒューリスティック: ある事象が典型的なパターンに合致するかどうかに基づいて判断する傾向。
自己奉仕バイアス: 成功は自分の能力や努力に帰し、失敗は外部の要因のせいにする傾向。
◎今日から営業に使える!重要なバイアス
フレーミング効果: 同じ情報でも、提示の仕方によって判断が異なる現象。
プライミング効果: 前に提示された情報がその後の判断に無意識に影響を与える現象。
大切なのは相手を知ろうとすること
人とのコミュニケーションにおいて、一番大切なのは相手を知ろうとすることです。普段の生活でも、営業活動においてでも、WEBマーケティングにおいても、相手を知ろうとし、相手の目線に立ち、相手の行動を想像することができなければ、相手の心をつかむことはできません。相手を知るためのヒントとして、認知バイアスを知ることは大変有効です。ぜひ今日からでも活用してみてくださいね。
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。