性能を数値や省エネだけで語らない。スマートウェルネス住宅

冬の住まい

*家は性能。

高性能窓に続いて、高性能断熱材の需要が伸びてきている。
省エネ住宅、ZEHの普及により2023年の住宅分野の断熱材市場は2016年比115.3%と拡大が予測されている。

断熱・気密をはじめとして、全国的に住宅性能が高まることは
住宅会社の経営にどのような影響を与えるだろうか。

断熱材市場

 

*断熱は健康寿命を延ばすか

国土交通省は、平成26年度からスマートウェルネス住宅等推進事業の一環として、
住宅の断熱化が居住者の健康に与える影響を検証する調査への支援を行っている。

調査を実施した一般社団法人日本サステナブル建築協会(東京都)の発表では、
得られたデータに基づき検証を行ったところ、住宅室内環境と血圧など健康関連事象との
関連が確認されたとのことである。

かなり簡単に言えば「断熱の高さと健康に関連性がありそうだ」ということ。

調査報告では「得られつつある知見」ということで、6点ほど挙げられている。例えば、

・室温の低い家に住む人ほど、起床時の血圧が高血圧となる確率が高い。

スマートウェルネス

(出所:一般社団法人日本サステナブル建築協会)

・断熱改修後に夜間頻尿回数が有意に減少。

スマートウェルネス住宅
(出所:一般社団法人日本サステナブル建築協会)

 

*性能を何で表現するか

これまで、断熱や気密は工法の違い(内断熱か外断熱か)や数値(性能表示、Q値、C値、U値)、
省エネ(ZEH、光熱費)から語られることが多かった。

上記の調査結果は、これまでと違い、断熱を健康との関連でアピールすることを後押しするものだ。
性能を数値で語るよりも、切り口としては使いやすいかもしれない。

というのも家庭の浴槽での溺死者は、年間4,800人。交通事故死亡者数の4,117人を超える死亡者数だ。
入浴関連の心肺停止も含めると年間19,000人と推計されるなど、
ヒートショック等による家庭での死亡者数は意外と多い。

家庭の浴槽溺死者

 
住宅会社として、家が一番安全な場所ではないというのは不名誉な話ではないだろうか。
平時でも災害時でも、自宅が一番安全で健康的でいられる場所であってもらいたい。

性能を数値で説明するだけではなくメリットをどう伝えるか、各社の特長に合った方法があるはずだ。
断熱を健康との関連でアピールすることを後押しする報告書を参考に
自社の住宅性能を、切り口を変えて伝えてみることを考えてみよう。

 

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この記事の著者

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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