大工がいない。住宅着工の減少よりも速く進む大工不足問題。

工事現場

人手不足が深刻だ。

あらゆる業種で人手不足が目立ってきているが
住宅業界も深刻な問題となってきている。

<住宅着工よりも速い減少スピード>

1980年に93万人いた大工は、2015年には35万人。2020年には30万人、2030年には20万人にもなるといわれる。
大工が減少しても、住宅着工も減少するから問題ないと見ているむきもあったが

2000年から2015年の15年間で見ると
大工の年平均減少率は△4.2%、住宅着工の△1.9%よりも減少スピードが速い。

大工の人手不足

 

<高齢化する大工>

上のグラフでも明らかなとおり、大工の高齢化が大工不足を加速させている。
大工の38.7%が60歳以上だ。
10代、20代の大工が増えていないことから、高齢化はますます深刻になる。
受注は出来ても工事ができずに売上が伸びない事態が鮮明になってくる。
当然、利益率も下がるだろう。

今の若者は、請負を選ばない。
給与制度があり、月給制・福利厚生の手厚い社員大工が選ばれる。

有効求人倍率があらゆる職種で上昇し、1.46倍。
若者にはいくらでも仕事があるのだから、わざわざ条件の悪い仕事はしない。

有効求人倍率

2017年11月の有効求人倍率は、43年10ヶ月ぶりの高水準となり
建設躯体工事にいたっては、10.85倍にまで上昇。
100の求人に対して、10人にしか応募がないような異常事態である。

 

<大工不足にどのように対処するか>

受注は出来ても施工ができない会社が増える、
若者が大工になりたがらないという現状を打破するビジネスはないか。

ひとつの解決策は、大規模な「施工専門サービス会社」であろう。


[1] 住宅業界は人手不足

⇒大工の高齢化
⇒請負では若手が集まらない(給与制を希望)
⇒外国人実習生が失踪(2015年5,803人が失踪。累計約2.5万人)

[2] 魅力ある大工の会社に若者が集まる

⇒研修・育成の仕組みを整える
⇒キャリアパス(建設キャリアアップシステム)
⇒給与制、社会保険完備、福利厚生、資格取得奨励

[3] 他社工事も請け負う施工専門会社にビジネスチャンス

⇒他の工務店は発注する大工がいなくなる
⇒大工を育成する仕組みがない工務店は淘汰される
⇒型枠や基礎など多能工化して最高品質の施工専門会社


施工サービス専門会社として、若手を引き付ける制度・育成方法を確立できれば
外国人実習生を(脱走されずに)活用することも出来るだろう。

今まで日本人大工3人1チームで年8棟建てていたものを
日本人大工1人につき実習生2人で8棟×3チームにすることで
コストは大幅に削減できる。

そのコストであれば、他社の施工を請け負うことも可能になる。
何しろ地域には大工がいなくなるのであるから
施工ができる会社が強気の価格設定ができるようになるだろう。

 

若者が働きたくなる会社をつくることは
若者が家を建てたくなる会社をつくることにもつながる。

大工不足というピンチは、新たなビジネスを生む好機でもある。

 

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この記事の著者

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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