住宅会社の幹部が果たすべき3つの責任とは何か。

工務店の幹部

会社が成長するにつれ、経営幹部の役割は増してくる。
しかし、社長の求める経営幹部を擁している住宅会社・工務店は少なく、悩みは尽きない。

まずは、最低限必要な「経営幹部の3つの責任」を果たしてもらおう。

 

◆経営幹部とは何か

工務店の幹部
企業の成長に伴い、社長一人の力で全てを掌握することは困難になる。
成長し続けるためには、取締役や部長職といった経営幹部の力が必要だ。
しかし、必要であることは分かっていても、社長が満足するだけの経営幹部を擁している企業は少ない。
名ばかりの取締役や部長職が多いのが一般的である。
経営幹部には、最低限、次のような責任を果たしてもらいたいものだ。
それは、次の3つである。

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「業績責任」
「業務改善責任」
「部下育成責任」

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「業績責任」とは、業績を達成するチームリーダーとしての責任である。
営業を統括する部門長であれば、当然ながら受注金額の目標値に責任を持ち、工務部門であれば全体の工事粗利額に責任を持つことになる。

どんなに部下から慕われている幹部であっても、業績責任を達成できない幹部はダメである。たとえ部下に慕われていなくても、目標値は確実に達成する方が経営幹部としては優秀だ。
近年では、部下を叱れない上司が増えているが、経営幹部が仲良しグループのリーダーでは儲からない。
部下に慕われていなくても、最終的には実績を出し続ける経営幹部に部下は付いていくものだ。どんなに部下に慕われていても、業績が達成できずに部下の給与が下がるようなことになれば、あっという間に支持を失うだろう。

また、業績が悪い時にこそ、経営幹部の器が見えてくるものだ。
器の小さな幹部は、自分は一生懸命取り組んでいるが、部下に能力が無い、やる気が無いなどと言い訳をする。
目標を達成できない理由を並べるのは得意である。
経営幹部に求められるのは、目標未達の原因や言い訳をアレコレ考えるのではなく、どうやったら目標を達成できるかを考え抜くことだ。そして方針を決定したら、部下を言い訳の材料に使わないことだ。

その部門の「長」が決定したことは、「長」に責任がある。
会社の業績は社長に責任があり、部門の業績は部門長に責任がある。
部下は「長」の方針に従っているだけであるから、目標未達の責任は部下ではなく「長」にある。
方針をトップダウンで決めるかボトムアップかという話ではない。
どんな決め方であろうと、決定した方針の「結果」に対する責任の所在の問題である。

業績の結果に対する責任が、全面的に自分にあることを幹部自身が自覚することが肝要である。
それにより幹部は本気になる。
上司が、本気で目標達成する気持ちがなければ、部下も本気にならない。
部下の本気度は、上司の8割と言われる。
部長の目標達成に対する気持ちが弱ければ、課長はその8掛け、係長は課長の8掛け、平社員は係長の8掛けとなり、0.8×0.8×0.8=0.512程度の達成意欲になるのだ。
目標を決めても達成できない、社内ルールを決めても守らせることが出来ないのは、上司が本気でないからである。部下は、上司が本気かどうかを簡単に見破る。
業績責任を果たせるか否かは、経営幹部の目標達成に対する覚悟にかかっている。

工務店の幹部

 

「業務改善責任」~1.01と0.99の大きな違い~は、次回。

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ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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