業務改善責任。1%の違いがもたらす結果の差。

工務店幹部悩み

前回(住宅会社の幹部が果たすべき3つの責任とは何か)は、3つの責任のうち「業績責任」について書いた。今回は、残りの2つの責任「業務改善責任」と「部下育成責任」について書く。

◆1.01と0.99の大きな違い
次の「業務改善責任」とは、業務を常に改善し品質と生産性を高める責任のことである。
少し自社のことを振り返ってもらいたい。経営幹部が1年前と同じことをしていないだろうか。
1年前と同じであれば、それは成長していないということである。1年前より経験値が上がっているのだから、過去の業務にプラスして新たなことに挑戦している筈である。もしくは、1年前よりも大きな成果を出している筈だ。
とかく経営幹部クラスまで昇進すると成長が鈍りがち。常に成長を続ける必要があることを、経営幹部には特に意識させるべきである。

常に業務改善を続けていくことが大きな力になることは、ご承知のとおりである。
1パーセントの改善を365日続けると、1年で37.8倍になる話は聞いたことがあるだろう(1.01の365乗=37.783)。
不断の改善努力が大きな力となり、他社との間に大きな差を生む。1日の歩みは僅かでも、過去の経験や知識が積み重なることで相乗効果を発揮して大きな成果となる。
逆に、1パーセントだけ毎日さぼり続けると、1年後には僅か0.03という恐ろしい結果になってしまう(0.99の365乗=0.025)。さぼらないまでも、自社が「現状維持」でいれば、競合他社が1パーセントの努力をしているので結果としては大きな差がついてしまうのである。

成功している同業他社を見て羨むのを止め、「毎日1パーセントの業務改善」を経営幹部と共有すべきである。営業の提案方法、住宅の施工品質を高める取組み、原価管理の徹底等、ほんの1パーセントでも昨日より改善しようと取組む姿勢を経営幹部が持つことで1年後の結果が大きく変わる。

 

◆憧れの上司か
最後の「部下育成責任」とは、成果を上げながら人材を育成する責任である。
成果を上げながら、というのがポイントだ。
単に部下に仕事を教えるだけでは、経営幹部として部下育成の責任を果たしたとは言えない。部下に仕事を教えるだけならば、幹部ではなく単なる先輩である。
その部下を1人前にするだけではなく、他の社員や他部門との連携を通じて、2倍、3倍の成果を出すのが幹部にとっての部下育成責任である。

そのためには、まず幹部が方針を示すことである。
自分の部門をどのようにしていきたいのか、大きな方針と目標を示す。そして、その部門が進む大きな方向性の中で、部下の位置付けを教えることだ。それを示さずに部下が思ったように育たないと嘆いても仕方がない。

部下に成長の道筋を示したら、次は「当たり前を受け入れる」ことが肝要だ。
部下は幹部と同じようには出来ない。その当たり前に気付かなければならない。
(今の)自分には簡単な仕事であっても、(昔の)自分には難しかった仕事が山ほどあるだろう。必要な仕事を100として、部下の力が30しかなければ、70は上司が埋めてやる。そして、部下の力を40に引き上げるように指導していく。
部下の力が30しかないことを責めても意味がないし、部門の成績は上がらない。幹部には成果も育成も期待されている。

さて、経営幹部には、幹部自身が部下からどう見えているか考えてもらいたい。
仮に入社時の自分が、幹部としての今の自分を見たら、どう思うだろうかと。素晴らしい上司だろうか、それとも…そう考えると、自ずとやるべきことが見えてくるに違いない。

 

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この記事の著者

ALEX

住宅会社・工務店の経営コンサルタント。経営・人事・財務など、中小企業の経営面でのアドバイスを行う。

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